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AI Lab プロジェクト医療×AIの発展にご協力いただける方を募集しています

医療AIオープンプラットフォームの全貌が遂に公開―轟・加藤の「医療AI トレンドを追う」(2)

2019年5月24日(金)

アイリス株式会社AIエンジニアの轟佳大氏が、眼科専門医でデジタルハリウッド大学大学院客員教授の加藤浩晃氏と共に、企業や大学における医療AI開発の取り組みを紹介する連載コラムです。取り上げてほしいテーマや質問事項、記事の感想などございましたら、「m3com-editors@m3.com」までメールをお送りください。

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ななめ読み
- 株式会社オプティムが医療画像診断支援AI統合オープンプラットフォーム「AMIAS(アミアス)」の提供開始を発表。
- 院内システムや国内外のAIプログラムと連携可能。
- 最初のパートナーメーカーは国内外含む4社。


今回は株式会社オプティムが新たに始める医療AIプラットフォームに関する取り組みについて紹介します。オプティムは近年、スマート農業事業などで注目されているIT企業ですが、その他にも多岐に渡る事業を展開しており、数年前からは医療分野にも注力しています。

例えば、佐賀大学とオプティムが共同設立した「メディカル・イノベーション研究所」にて眼底画像から緑内障を判断する診断支援システムの開発を進めたり、4月12~14日に開催された「2019国際医用画像総合展」にて先駆けて発表された医療AIプラットフォーム「AMIAS」を展開したりしています。

AMIAS

「AMIAS」ウェブサイトより

AMIASは、院内で取得した画像(メーカー問わず)を入力すると、AMIAS上で選ばれた最適なAIプログラムによって画像解析が行われるシステムです。AMIASとパートナー連携をするAIプログラムメーカー(2019年4月11日現在)はinferVISION(インファービジョン、本社:中国・北京)、ERISA(エリサ、本社:日本・島根)、LPIXEL(エルピクセル、本社:日本・東京)、そしてvuno(ビューノ、本社:韓国・ソウル)の4社です。今後、様々な病院で撮影された医用画像をAMIASに通すことで、種々の病気に対する診断補助が可能になるとのことです。

それでは、このたびパートナー連携を結んだ4社について説明していきます。 inferVISIONは中国の医用画像解析ベンチャー企業で、中国の多くの病院では既に導入が進められており、現場で医師がinferVISION社製のAI診断システムを使いダブルチェックを行っています。ERISAはAIを用いた頭部MRI、fMRIによる認知症早期検出を行っている島根県に所在を置くベンチャー企業です。

LPIXELはEIRL(エイル)などの医用画像解析システムを運用する東京に所在を置くベンチャー企業であり、EIRLで研究開発がされている対象疾患は10種類です。vunoはX線画像から骨年齢の自動評価を行うAIシステムなどを開発する韓国に所在を置くベンチャー企業です。

このようにAMIASとの連携を表明した4社は各社それぞれ違う症状に対してAIを用いた診断支援を行っている企業です。AMIASのような統合プラットフォームは日本初であり、医療AIによる診断システムが今後増えていくのを見越した上で設計されたプラットフォームとなっています。

医療AIオープンプラットフォームに関しては、検出可能な疾患がどんどん増加することや、医療AIが現場にて活用された後に取得できる検出精度などの各データをどの企業が保持し、後のAIプログラム改良時にどのようなフローを経て再学習などに応用できるのか、なども気になっておりますので、引き続き動向に注目していきたいと思っています!

第2回目も読んでくださってありがとうございました! 次回も乞うご期待!

轟佳大

轟佳大

アイリス株式会社 AIエンジニア。1992年生まれ、立命館大学大学院 情報理工学研究科修了。大学・大学院を通して医療AIの研究を行い、大学院在学中にはシンガポール国立情報研究所にて医療AIの研究に従事。最新論文は医工学分野のトップカンファレンスに採択された。研究や仕事の傍ら、医学生や医師、社会人向けに医療AIの講演などを行っており、スライド「AI×医用画像の現状と可能性」(http://ur0.work/SfKm)は1万viewを超える。医療と最新テクノロジーとアイスが好き。

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