日本医療研究開発機構(AMED)が2019年4月7日に開催した「平成30年度臨床研究等ICT基盤構築・人工知能実装研究事業成果報告会」のレポートです。
日本医療研究開発機構(AEMD)は4月7日、「平成30年度臨床研究等ICT基盤構築・人工知能実装研究事業成果報告会」を都内で開催し、同機構から助成を受け事業を進める日本病理学会、日本消化器内視鏡学会、日本医学放射線学会、日本眼科学会、日本皮膚科学会、日本超音波医学会の担当者らが診療画像などを収集しデータベースを構築、AI(人工知能)開発に活用するための研究開発の成果を報告した。
同事業では2016年度から、各学会が中心となり臨床画像を収集、アノテーションなどをしてデータベースを構築、これらのデータを活用して画像診断支援などのAI開発を進めている。2016年度に日本病理学会、日本消化器内視鏡学会、日本医学放射線学会の3学会が採択され、2017年度から日本眼科学会、2018年度から日本皮膚科学会、日本超音波医学会が採択され、計6学会でそれぞれで臨床画像データベース構築を進めている。
冒頭で挨拶をした同機構理事長の末松誠氏は、超高齢少子化社会について「人的資源、労働力確保が大変な課題となる」と指摘したうえで、「データ収集をどう考えていくかが非常に重要。現状は臨床情報の収集に(医師の)先生方の労力が非常にかかっている。そこを省力化して先生の時間を患者のために使ってほしいというのがこの事業の狙いだ」と述べた。
続いて挨拶した厚生科学課審議官の佐原康之氏は、6月の取りまとめに向けて政府が策定を進める「AI戦略」について紹介。「総論としてはAI人材育成のための教育改革、基礎研究強化などがあるが、各論として社会実装については健康・医療・介護が最も重点的に取り組むべき領域として取りまとめを進めている」と説明した(『政府のAI戦略、「特に医療・健康・介護が重要」』を参照)。
成果報告会では6学会がそれぞれの取り組みを紹介した。各学会の概要は以下の通り。
日本病理学会 理事長:北川昌伸氏
病理専門医数:2232人
日本消化器内視鏡学会 理事長:田尻久雄氏
消化器内視鏡専門医数:1万6200人
日本医学放射線学会 理事長:本田浩氏
放射線診断専門医数:5057人
日本眼科学会 理事長:大鹿哲郎氏
眼科専門医数:1万860人
日本皮膚科学会 理事長:天谷雅行氏
皮膚科専門医数:6129人
日本超音波医学会 理事長:工藤正俊氏
超音波専門医数:1829人
各学会の報告は、次回以降にレポートする。
長倉克枝 m3.com編集部