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特発性脊柱側彎の矯正を行う初の医療機器を承認、FDA

2019年10月21日(月)

米食品医薬品局(FDA)のNews Releaseから、IT、ゲノム医療などテクノロジーに関連する情報をピックアップしてお伝えします。

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FDAはこのたび、特発性脊柱側彎の矯正を目的とした新たな医療機器を承認した。「The Tether – Vertebral Body Tethering System」と呼ばれるこの機器は、成長過程にある小児のうち、外科手術が選択肢に入ってくるほど側彎が進行しつつある、あるいは手術するまでに至った患者を対象とする。

特発性脊柱側彎は小児のうちに発症するが、まだ成長過程にある彼らに対する標準治療は保存的なもので、脊椎のカーブを矯正するためにコルセットを着けることが大半である。しかしこの疾患は、体外からの力で矯正するだけでは根治できない。

米国では、毎年平均して6800人の患者が保存的治療では思わしい結果が得られない進行性の彎曲を患っている。このような患者にとって、脊椎の外科手術は永続的に彎曲を矯正できるかもしれない。しかしその一方でこの手術により、脊椎の動きが長期にわたって制限され、痛みや関節炎などの症状を引き起こす可能性もある。

このたび承認されたThe Tetherは患者の成長に応じて脊椎の動きを全範囲で維持しつつ、彎曲を矯正し続ける機能を持ち、通常の治療法では効果がない特発性脊柱側彎の患者に適用される。

The Tetherは、曲がった脊椎の一つ一つに装着される。ワイヤがスクリューに繋がっており、時間と共にワイヤは曲がっている方の脊椎の成長を遅らせ、反対側の方の成長を促進させる。The Tetherは過剰矯正などの問題が起こらない限り、体内から除去されることはない。

荒川友加理

荒川友加理

1980年、石川県生まれ。イギリス、エセックス大学で言語学を学んだあと、英会話講師に。幼児から大人までの英語教育に従事しながら翻訳の仕事も行う。翻訳分野は日本の旅館やホテルのウェブサイト翻訳、ダイバーシティー&インクルージョンにフォーカスしたニュース記事翻訳、企業のウェブサイトや会社案内動画の字幕吹き替え翻訳など。