米食品医薬品局(FDA)のNews Releaseから、IT、ゲノム医療などテクノロジーに関連する情報をピックアップしてお伝えします。
FDAは2月7日、AIによる心エコー検査のガイドシステム「Caption Guidance」の販売を承認したと発表した。医療AIの研究を行うCaption Healthが開発したこのシステムを用いる事で、エコー検査を専門に行う医師や技師以外の医療従事者であっても診断に十分堪え得る検査を行える可能性が広がるという。
心臓病は米国の主要な死因であり、毎年約64万7000人が亡くなっている。心機能検査の一つである心エコー検査は、非侵襲的に心筋の動きを確認できるため、広く利用されている。しかし心エコー検査の習得は困難であり、専門的なトレーニングを受ける必要がある。
Caption Guidanceは、心エコー検査を行う医療従事者をサポートするために承認された初めてのAIソフトウェアである。このシステムは機械学習を使用して開発され、得られた画像が十分に高品質かどうかを判別するようにトレーニングされている。
Caption Healthの研究グループはまず、心エコー検査の専門家でない8人の看護師にCaption Guidanceの使用法を教えた後、240人分の標準的な心エコー画像を取得させた。その後、5人の心臓専門医が取得した画像の品質を評価した。その結果、Caption Guidanceのサポートにより、検査未経験の看護師であっても、左心室機能や右心室サイズ、心嚢水貯留などについて、十分な品質の画像を取得できることが示された。
FDA医療機器センターの副所長であるRobert Ochs氏は「このたびの販売承認により、心エコー検査の専門家でない医療従事者がこのツールを使用できるようになった。これは、安全で効果的な心臓検査数が増える可能性を示しており、非常に大きな進歩だ」と述べている。
宮内 諭 m3.com編集部