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国循理事長「循環器領域で法律に基づいたデータベース整備必要」ー第67回日本心臓病学会学術集会

2019年10月30日(水)

2019年9月13〜15日に名古屋市で開催された第67回日本心臓病学会学術集会の開催レポートです。

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9月13日〜15日に名古屋市内で開催された第67回日本心臓病学会で14日、会長特別企画「未来型医療を創る心臓病のビッグデータ」が開かれた。レジストリの構築などによるビッグデータ活用についての紹介があり、座長で国立循環器病研究センター理事長の小川久雄氏は「AI(人工知能)の活用には十分なデータが必要。法律に基づいてデータ収集をする仕組みが必要だ」として、循環器領域での大規模データベース整備を提案した。

小川氏はまず、「ビッグデータとそれを活用したAI活用が医療の中で最も発展が期待される。そうした芽が出始めているのが心臓病領域だ」として、同セッションの企画趣旨を説明した。同セッションでは、急性心筋梗塞のレジストリ事業、日本循環器学会の循環器疾患レジストリである「JROAD」を使った分析、カテーテルアブレーションの全例登録プロジェクトなどのデータベース構築のプロジェクトについてそれぞれの研究者が紹介した上で、「ビッグデータ/AI医療利活用の現状と未来」とした講演があった。

これらのセッションのまとめとして、小川氏は「この分野は日本はかなり遅れている。何らかの対策をとるべき」とした上で、AIの活用には十分なデータが必要とした。循環器領域では2018年12月に脳卒中・循環器病対策基本法が成立したが、2006年に成立したがん対策基本法に基づき2013年に成立したがん登録基本法に基づいた全国がん登録と同様に、法的な根拠に基づいて症例収集を義務化すべきではないかとした。

長倉克枝

長倉克枝 m3.com編集部