昭和大学などは1月29日、AI(人工知能)を使って、検査中にリアルタイムでがんの病変を検出する大腸内視鏡画像診断支援AIが医薬品医療機器等法(薬機法)に基づく承認を取得したと発表した(プレスリリースはこちら)。ディープラーニングを用いて開発したもので、大腸内視鏡で撮影中にポリープなどを検出すると画面上に警告を表示し、医師による病変検出を支援する。
昭和大学横浜市北部病院消化器センターの工藤進英特任教授らと名古屋大学大学院情報学研究科森健策教授らの共同研究成果。昭和大学横浜市北部病院、国立がん研究センター中央病院、静岡県立静岡がんセンター、東京医科歯科大学附属病院、がん研究会有明病院で臨床性能試験を行い、1月24日に、薬機法に基づきクラスⅡ・管理医療機器として承認された。
ソフトウェアの開発にはディープラーニングを用い、国内5施設から集めた内視鏡検査動画から抽出した約395万枚の内視鏡画像を学習させた。臨床性能試験では感度95%、特異度89%の精度で病変を検出できた。
医師が検査中にポリープなどを検出すると画面上で警告を表示し、医師による病変の発見を支援する。医師の診断を支援するという目的のため、あえて病変の位置までは表示せず、音と画面上の色の変化で医師に警告を発する。
開発した大腸内視鏡画像診断支援AI「EndoBRAIN®-EYE」は、オリンパス社製の大腸内視鏡(ハイビジョン画質以上)で導入可能としている。
同研究グループでは、2018年12月6日に、オリンパス社製超拡大内視鏡で撮影された大腸内視鏡画像から自動的に腫瘍か非腫瘍かを判別するAI大腸内視鏡画像診断支援ソフトウェア(EndoBRAIN®)の、クラスⅢ・高度管理医療機器としての承認を取得している(『大腸内視鏡からがんを自動検出ソフト、承認取得』参照)。
長倉克枝 m3.com編集部