糖尿病性網膜症を判定する医療機器の販売が米国食品医薬品局(FDA)に承認されるなど、今、人工知能(AI)を用いた画像診断支援システムの開発がめまぐるしく進んでいます。果たしてAIは医療現場をどのように変えるのでしょうか。
シリーズ「AIは医師を超えるか」は、AI技術の限界と可能性について解説した『人工知能の哲学』や、AIと人間の比較から人間の知能の可能性とこれからの社会の向かうべき方向性を示した『人工知能はなぜ椅子に座れないのか』などを著した、合同会社アイキュベータ代表社員の松田雄馬氏が、AIの仕組みから応用までやさしく解説する全5回の連載です。
(1)「人工知能」が医療現場にもたらすもの (2018年9月13日公開)
(2)人工知能はいかにして癌を認識するのか (2018年9月14日公開)
(3)画像診断による誤りは、どのようにして生じるのか(2018年9月15日公開)
(4)人間の認識能力が画像診断システムの限界を突破する(2018年9月18日公開)
(5)人工知能は人間の仕事を奪うのか(2018年9月19日公開)
松田雄馬
1982年生まれ。博士(工学)。京都大学工学部地球工学科卒。2007年日本電気株式会社(NEC)中央研究所に入所。MITメディアラボやハチソン香港との共同研究に従事した後、東北大学とブレインウェア(脳型コンピュータ)に関する共同研究プロジェクトを立ち上げ、基礎研究を行うとともに社会実装にも着手。2016年、NECを退職し、独立。現在、「知能」や「生命」に関する研究を行うとともに、2017年4月、同分野における研究開発を行う合同会社アイキュベーターを設立。代表社員。