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AI画像診断補助は「有用性示されず」、診療報酬改定で対応行わず

2020年1月10日(金)

AI(人工知能)を用いた画像診断補助は評価すべき医学的な有用性が十分に示されていない――。厚生労働省は1月9日に開催した中央社会保険医療協議会・診療報酬調査専門組織・医療技術評価分科会(分科会長:福井次矢・聖路加国際病院院長)で、「医療技術評価分科会における評価の対象となる技術(案)」を提示し、日本医学放射線学会が提案した「人工知能技術を用いた画像診断補助に対する加算」については、上述の理由から今年4月の診療報酬改定では対応を行わないとした(資料は厚労省のホームページ)。

診療報酬改定における医療技術の評価は、学会等から提案のあった医療技術と、先進医療として実施されている医療技術のそれぞれについて評価対象となる。今年4月の診療報酬改定に向けて評価対象となる技術は、学会等からの提案のあった医療技術719件と、先進医療として実施されている医療技術24件。このうち「診療報酬改定において対応する優先度が高い技術」は264件、「医療技術評価分科会としては今回の改定で対応を行わない技術」479件だった。

日本医学放射線学会は「人工知能技術を用いた画像診断補助に対する加算」を提案した。順天堂大学医学部放射線医学講座教授の青木茂樹氏は、AIを用いた技術について、医師らの働き方改革につながるほか、諸外国よりも早く普及させるために、確固たるエビデンスがないものの、少しエビデンスがあるものについては評価の在り方を検討する余地があると指摘したが、医療技術評価分科会では「評価すべき医学的な有用性が十分に示されていない」として今回の改定では対応を行わない技術とされた。

なお、ロボット手術支援では新規7件が「診療報酬改定において対応する優先度が高い技術」となっている(医療維新『ダビンチ7件が保険適用へ、先進医療6件も』参照)。保険適用となる、手術支援ロボットを用いた新規7技術は、以下の通り(学会名は、提案学会)。

・膵頭十二指腸切除術(ロボット支援):日本肝胆膵外科学会
・肺悪性腫瘍手術 区域切除(ロボット支援):日本呼吸器外科学会
・仙骨腟固定術(ロボット支援):日本産科婦人科学会
・食道悪性腫瘍手術(消化管再建を伴う)(頸部、腹部の操作)(ロボット支援下):日本食道学会
・ロボット支援下による頭蓋内電極植込術:日本てんかん学会
・膵体尾部切除術(ロボット支援):日本内視鏡外科学会
・腎盂尿管吻合術(腎盂形成術を含む)(ロボット支援):日本泌尿器内視鏡学会

長倉克枝

長倉克枝 m3.com編集部