1. m3.com
  2. AI Lab
  3. ニュース
  4. エルピクセル、肺結節検出AIの製造販売承認を取得

AI Lab プロジェクト医療×AIの発展にご協力いただける方を募集しています

エルピクセル、肺結節検出AIの製造販売承認を取得

2020年9月1日(火)

AIを用いた画像解析ソフトウェアの研究開発を行うエルピクセル株式会社は8月28日、胸部X線画像から肺結節の疑いがある候補域を検出し、医師の診断支援を行うソフト「EIRL Chest Nodule」について、厚生労働省より医療機器製造販売承認を取得した事を発表した。

胸部X線検査は費用が安く被曝量が少ないため、肺がん等の一般的なスクリーニングとして広く普及している。一方で読影医には、膨大な数の読影をこなし、確実に病変の兆候を見つけるという、非常に高い技量と経験、集中力が求められる。医療現場においては、読影診断にかけられる時間が限られていること、読影に慣れていない医師も読影診断する機会が多いことなどが課題となっていた。

EIRL Chest Noduleは、胸部X線画像から条件を満たす肺結節の形状に類似した領域(5mm-30mmまで) を検出し、医師による読影をサポートする機能を持つ。医師単独で読影した場合と比べ、本製品を用いて読影した場合、放射線科専門医で9.9ポイントの感度上昇(47.10%から57.05%)、非専門医で13.1ポイントの感度上昇(43.78%から56.88%)が認められ、診断精度が向上したという。

代表取締役社長の島原佑基氏は本発表について、「EIRL Chest Noduleによって胸部X線検査における医師の読影サポートを行うことで、見落としを防ぎ、効率的な医療の実現が可能だと考えている。本製品を皮切りに、肺結節候補域だけでなく他疾患の診断支援機能の開発も進めていきたい」と抱負を述べた。

宮内 諭

宮内 諭 m3.com編集部