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ADHD治療に有効なデジタルアプリが登場

2020年3月24日(火)

米デューク大学医療センターの研究グループは、デジタル治療用アプリ「AKL-T01」がADHD小児患者の注意と認知制御機能の改善に有効であることを発表した。この研究成果は2月4日、『LANCET』に「A novel digital intervention for actively reducing severity of paediatric ADHD (STARS-ADHD): a randomised controlled trial」として公開された。

ADHDのデジタル治療法は、副作用の軽減とコスト削減のため、薬物療法の代替として注目を浴びてきた。デジタル治療用アプリ「AKL-T01」は脳の前頭前野を活性化するように設計されたアクションビデオゲームであり、患者が能動的に治療を行うことで、症状の早期改善が期待されている。

AKL-T01の開発を行うAkili Interactive Labsの研究チームは米国において、ADHDと診断された 8-12 歳の小児患者 348 例を対象とした試験を行った。その結果、AKL-T01を用いた群は対象群と比較して、注意機能スコアが有意に改善することが確認された。この試験では、持続的注意および抑制制御に関する客観的な評価方法である「TOVA(Test of Variables of Attention)」が用いられた。また、この試験における重大な有害事象や中断は確認されなかったという。

提案されたデジタル治療法は、薬を投与するよりも認知障害を改善する可能性を示しており、薬理学的介入や行動療法などの標準療法に比べ、導入障壁も小さいという利点があると考えられている。

論文を読む

A novel digital intervention for actively reducing severity of paediatric ADHD (STARS-ADHD): a randomised controlled trial

小野賢児

小野賢児

2019年度立命館大学大学院情報理工学研究科修了。在学中は、深層学習を用いた医用画像の解析、研究に従事。医師と共同研究を行っていた。コンピュータビジョン×医用画像に興味があり、医療AIの研究開発に取り組んでいる。2020年度より、電気機器メーカーに勤務。関心領域は、データサイエンス、ヘルスケア。在学中に、シアトル(アメリカ)、大連(中国)、ハイデラバード(インド)へのIT留学経験有り。好きな言語はPython。好きな飲み物は牛乳。