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CureAppのニコチン依存症治療アプリが薬事承認取得、世界初

2020年8月27日(木)

疾患治療用プログラム医療機器の開発を行う株式会社CureAppは8月21日、同社が開発した「CureApp SC ニコチン依存症治療アプリ及びCOチェッカー」について、厚生労働省より製造販売承認(薬事承認)を取得したことを発表した。ニコチン依存症への有効性で国から承認を受けた治療用アプリとしては世界で初めてとなる。

CureApp SCは、禁煙外来で治療を受ける患者の院外での禁煙をサポートするために医師が処方する医療機器であり、患者用アプリと医師用アプリ、そしてポータブルCOチェッカーの3つからなる。患者アプリでは、個々の患者の治療状況や体調などに合わせて個別化したガイダンスを提供する。また、セットとなるポータブルCOチェッカーを使用する事で、呼気中のCO濃度の計測を自宅で行う事ができる。このように、在宅や勤務中など医療者の介入が難しい「治療空白」期間を治療用アプリが支援することで、禁煙継続率が向上するという。

本製品の臨床試験には572例が参加。285例が治療アプリ使⽤群、287 例が対照群に割り振られた。主要評価項⽬である「9-24 週における継続禁煙率」の比較では、治験治療群が63.9%(182/285 例)だったのに対し、対照群では50.5%(145/287 例)であり、オッズ⽐は1.73 と統計学的な有意差を⽰した(95%CI:1.239〜2.424、p=0.001)。

代表取締役社長兼医師の佐竹晃太氏は本発表について、「今回薬事承認を受けたニコチン依存症治療アプリは新しい禁煙体験をもたらすものと確信している。『アプリで治療をする』というこの新しい治療法の普及に力を入れるとともに、ニコチン依存症以外の様々な疾患においても研究開発を進めていきたい」と抱負を述べた。2020年度中の保険適用と上市を目指すという。CureAppでは承認を受けて、情報提供を開始するとのこと。

宮内 諭

宮内 諭 m3.com編集部