中外製薬は6月3日、次世代シークエンサーを用いた遺伝子変異解析プログラム「FoundationOneCDxがんゲノムプロファイル」を発売した。同日からエスアールエルで検査を受託する。保険適用は6月1日付。同じタイミングで保険適用が認められたシスメックスの「OncoGuideNCCオンコパネルシステム」は、1月31日から発売し、理研ジェネシスが検査を受託している。いずれも、検体提出時8万円(8000点)、結果説明時48万円(4万8000点)で、合計56万円(5万6000点)を算定できる。
FoundationOneCDxがんゲノムプロファイルは324、OncoGuideNCCオンコパネルシステムは114の遺伝子変異を一度に調べることができる。さらに、FoundationOneCDxがんゲノムプロファイルはさらに4がん種、6遺伝子の変異を検出し、特定の医薬品の適応の判定に用いる“コンパニオン診断機能”を有している。ただ、標準治療の可否を判断するのに用いるコンパニオン診断は、がん遺伝子パネル検査とは実施時期も異なる。そのため、保険適用上は、使用の目的で明確に切り分け、コンパニオン診断機能を活用する際は、がんパネル検査の点数では算定できず、非小細胞肺がん、悪性黒色腫などの診断として算定することになる。
実施できる施設は、がんゲノム医療中核拠点病院11施設と、それに準ずる医療機関。厚労省は、将来的に全国どこでもがんゲノム医療を提供できる体制を構築することを目指しており、がんゲノム医療拠点病院30施設を今秋に指定することを目指すなど、体制整備を進めている。
一方医療機関でも、企業と販売に関する契約を結ぶなど、受診の準備を進めている。このうち国立がん研究センター中央病院では、ホームページ上に、「検査の保険診療での実施に向け、準備を進めている。実際に実施できるようになったらホームページにて改めてご案内する」とのコメントを掲載している。
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