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がん患者の遺伝子変異から最適な治療、AI使い専門医が半分の時間で検討可能に、東大など

2019年11月9日(土)

富士通研究所は11月6日、東京大学医科学研究所との共同研究で、AI(人工知能)を活用することで、血液腫瘍内科でのがんゲノム医療の治療方針検討作業時間を半分に短縮することができたと発表した。急性骨髄性白血病の患者の遺伝子解析から、薬の反応性や副作用などを予測して最適な医療を提供できたという。

共同研究は2018年7月から2019年9月にかけて東大医科研血液腫瘍内科で実施した。86万件の医学論文から遺伝子変異と治療薬の関係性や治療薬と効果の関係性などを抽出して、グラフ構造型のデータベース「がんゲノム医療ナレッジグラフ」を構築。実験では、急性骨髄性白血病の患者の過去の症例について、血液腫瘍内科医4人がこのナレッジグラフを用いて検索し、治療方針を検討した。それぞれの遺伝子変異に対する治療方針の検討作業はこれまで1件当たり平均約30分かかっていたのが、開発した技術を活用することで、検討時間が半分になったという。

がんゲノム医療では患者の遺伝子の解析結果をもとに最適な治療薬や治療方法を検討するが、専門の医師が遺伝子の変異と論文とを照らし合わせ検討する必要があり、この作業に膨大な時間がかかっていた。

長倉克枝

長倉克枝 m3.com編集部